私たち、HEROESのスタッフは、様々な研修等に参加させていただく機会があります。それは、とても有り難いことです。
そういった研修の中には、「問題行動に対する対応」といった講義等がよくあります。非常に大切なヒトコマであると思います。
結果的には、問題行動そのものに対して直接的にアプローチをするのではなく、例えばAさんであれば、その行動の機能を明らかにし、Aさんを取り巻く環境を色んな観点から改善していくことが必要であると結論付けられます。とても大切な視点であると、いつも思います。
しかし、こういうことがあります。
例えば、Bさんの問題行動と言われるもの(b-①)に対して、上記の観点からアプローチをしたところ、半年程度でb-①がなくなりました。その行動の消失はとても緩やかで、スムーズでポジティブなものと見受けられました。
しかしながら、そうすると、次に別の問題行動(b-②)が起こりました。
その行動に対しても、上記の観点からアプローチをしていくことは当然なのですが、、、
所謂問題行動というものは、私たちのように「支援」と呼ばれる現場に関係していると、必ずや目の当たりにします。
しかし、私たちのやるべきことの本当に大事なポイントは、問題行動へのアプローチではなく、いかにその人の日々の生活を豊かに(すごく抽象的ですが)することができるかということであると思います。もし、その豊かさのために、その人が何らかのスキルの獲得が必要であれば、そのお手伝いをすることが必要であると思います。
Bさんが所謂問題行動b-①を起こす前、その最中、そして消失後b-②を起こすまで、またその最中に、一体、Bさんの生活はどれ程豊かになったのだろう?生活が、豊かになるために必要なスキルの獲得に対して、どれだけのお手伝いが出来たのだろう?と考えてしまいます。
例え1つや2つ、何らかのお手伝いが出来ていたとしても、やはりそれでは遅いと思うのです。
時間は誰にとっても有限ですので、早くやらねばならないと思うのです。
丁寧に、かつ迅速に。今年度の目標にしたいと思います。
牧得生