「困った時が~チャンスです〜。頭の良くなる(ウァッファ!)チャンスで〜す〜」とペリカンさんが歌う。
ペリカンさんは僕が小さい頃によく見ていた教育テレビ『ともだちいっぱい』の「かずとあそぼ」にのみ出てくるキャラクターで、トラブルに見舞われたモンタくんに、考えることの楽しさや大切さを教えるのです。そして、モンタくんは直面した課題を自らの力で解決していくという、素晴らしい番組なのです。
さて、我々はどうでしょうか??
「自分自身が」「何か」を考える事を大事にしているでしょうか?
何か問題に直面した時(問題の大小は関係なく)、まず考えることをしているでしょうか?
「あの件、どうしましょう?」
などと、相手に答えをもらうよう丸投げしてないでしょうか?
まず自身で考え、提案する形で相手に投げかけているでしょうか?
そして何より、考えることを楽しんでいるのでしょうか?
また一方で「誰がか」「何か」を考えることを大事にしているでしょうか?
利用者さんが、スタッフが、自分の子供が、何かを考え、チャレンジしようとしている時に、その素晴らしい行動(思考)を邪魔していないでしょうか?
私には1歳5か月になる息子がいます。彼は、最近階段を自分で降りようとします。とても危ないのです。
しかし、彼は考えます。どのような体勢であれば上手くおりられるのかを。どこに手をやり、どこに足を置き、どのようなスピードであれば、安全に降りられるのかを。そして、それでも危ないと自分で判断した時は「だっちー」と言って、両腕を広げます。
そして、私は、ヘルプのサイン(だっちー)を出せたことに対して、「素晴らしいことだねー」とホメます。
利用者さんも、例えば、お気に入りの活動がない時、CDプレーヤーが起動しない時、仕事で使う道具がない時、ストレスフルな状態からいかにして逃れるか、などなど。その他、思考している場面にたくさん遭遇します。
もし、こういった困った場面において、我々が先回りばかりしていたら、相手の思考はストップしてしまうでしょう。
それは、相手の大事な能力を奪い去る、とっても危険な行為であると思います。
ペリカンさんの教えは、簡潔ですが、とても大切なことだと思います。
牧得生